箱根駅伝には「箱根を制する者は山を制す」という有名な格言が存在します。
山登りの5区、そして山下りの6区は、箱根駅伝の中でも特殊性が高く、勝敗を左右しやすい区間として語られることがあります。
本記事では、5区の距離が現在の形となった第93回大会以降を対象に、5区(山登り)と6区(山下り)の合計タイムと総合順位との関係をデータから見ていきたいと思います。
分析対象とデータについて
本記事では、第93回大会から第101回大会までの箱根駅伝を対象としました。
使用したデータは以下の通りです。
・5区区間タイム
・6区区間タイム
・5区・6区の合計タイム
・総合順位
データはいずれも日テレ箱根駅伝公式サイトの大会結果をもとに整理しました。
なお、5区と6区の合計タイムは「h:mm:ss」の形式で表記しています。
※なお、本分析は順位およびタイムデータを用いたものであり、厳密な因果関係を示すものではなく、傾向を確認する目的で使用しています。
山区間(5区・6区)合計タイムと総合順位の関係
散布図による確認
5区・6区の合計タイムと総合順位の関係を散布図で確認していきます。
順位は数値が小さいほど上位であるため、散布図では左下に位置するほど総合順位が上位であることを示しています。
散布図を見ると、5区・6区の合計タイムが良い大学ほど、総合順位も上位に入りやすい傾向が確認できます。
回帰直線および決定係数からも、山区間と総合順位の間には中程度の関係が見られます。
優勝校の分布から見える特徴
散布図を詳しく確認すると、距離変更初年度である第93回大会を除き、総合優勝校はいずれも5区・6区合計タイムが2時間11分前後より左側に位置している。(散布図中の黄色の点が該当)
明確な境界線が存在するわけではないですが、優勝を狙う上で、山区間において一定水準以上のパフォーマンスが事実上の目安となっている可能性があります。
一方で、合計タイムが良好であっても必ずしも優勝に結びついていないケースも見られます。
このことから、山区間は重要な要素ではあるものの、それだけで総合順位が決まるわけではないことも確認することができます。
5区・6区それぞれの役割について
山登りの5区は、各大学が比較的エース級の選手や登りに適した走り方をする選手を投入する区間であり、レースの流れを大きく左右しやすい状態です。
一方、山下りの6区も同様に技術的な要素が強く、比較的順位変動が起こりやすい区間でもあります。
両区間を合算して評価することで、箱根駅伝における「山の強さ」をより包括的に捉えることができると考えられます。
考察|「山を制する者は箱根を制す」は正しいのか
分析結果からは、山区間の合計タイムが優れている大学ほど、総合順位も上位に入りやすい傾向が確認することができました。
これは、「山を制する者は箱根を制す」という言葉が、必ずしも感覚的な表現ではなく、一定のデータ的裏付けを持つ可能性があることを示しています。
ただし、山区間はあくまで総合力の一部であり、2区をはじめとする前半区間や、
他の区間とのバランスも重要であることには留意が必要となります。
まとめ
本記事では、箱根駅伝における特殊区間である5区・6区の合計タイムと総合順位の関係をデータから見てきました。
山区間で一定水準以上のパフォーマンスを発揮することは、優勝を狙う上で重要な条件の一つである可能性が高いです。
一方で、それだけで勝敗が決まるわけではなく、チーム全体の総合力が求められる点も改めて確認できました。
次回予告
次回は、各大学が「往路型」なのか「復路型」なのか、また、山区間全体が強いのか、
登り(5区)・下り(6区)のどちらかが得意なのか、それとも山区間が比較的苦手とされるのかについて、過去のデータから分析していきたいと思います。



コメント