順天堂大学はいま、どの位置にいるのか?
箱根駅伝において、順天堂大学は長い間、明確な“異名”を持つ大学です。
「復路の順大」「逆転の順大」と言われています。
往路で多少のビハインドを背負っても、復路で着実に順位を上げ、気がつけば表彰台争いに絡んでいる。それが順天堂大学の典型的な勝ちパターンでした。
しかし近年、そのイメージはやや薄れつつあります。順位自体は悪くない年もあります。
だが、かつてのような「復路で流れをひっくり返す存在感」は明確には感じられなくなっています。
本記事では、順天堂大学が
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本当に「復路型チーム」に戻りつつあるのか
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それとも別の形を模索すべき段階にあるのか
を、順位・タイム・山のデータから検証していきます。
平均区間順位とワースト区間順位が示す「安定と限界」
まず確認するのは、平均区間順位とワースト区間順位の比較です。
平均区間順位は「中堅上位」に安定
過去10大会の平均区間順位を見ると、順天堂大学は10位前後二桁前半に安定しています。
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極端に良い区間は少ない
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しかし、極端に悪い区間も少ない
この傾向は、「総合順位を大きく落とさないチーム」の傾向です。
ワースト区間順位が示す課題
一方で、ワースト区間順位に注目すると、順天堂大学は1区の出遅れが多いことや、復路の流れを作る7区での苦戦が目立ちます。
これは重要なポイントです。
かつての「復路の順大」は、
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復路で順位を上げる
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少なくとも大崩れしない
という特徴を持っていました。
現在の順天堂大学は、復路で粘り切れない年が混ざる構造になっています。
優勝校との平均区間順位比較で見える「差の正体」
次に、順天堂大学と優勝校の平均区間順位の比較を見ていきます。
ここから見えるのは、順天堂大学が優勝校から大きく引き離されている大会が殆どという事実です。
唯一、102回大会の往路だけ優勝校を上回っている状態です。
かつて得意であった復路は優勝校から大きく水をあけられています。
これは、優勝校が
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必ず一桁上位に食い込む区間
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レースの流れを作る区間
を複数持つ一方で、順天堂大学が、「全区間でそこそこ良い」のだが「主導権を握る区間」が見当たらないということです。
山合計タイム比較が示す「復路型チームの限界」
順天堂大学を語る上で、山(5・6区)は常に微妙な位置づけにあります。
山で致命傷は負わないが、武器にもならない
山合計タイムの比較を見ると、順天堂大学は優勝校から毎年一定の差をつけられています。
ただし、
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大きく崩れる年は少ない
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しかし、流れを引き寄せるほど速くもない
つまり山は、「耐える区間」にはなっているが、「仕掛ける区間」にはなっていません。
復路勝負をするなら、山は“最低条件”
かつての順天堂大学が復路で逆転できたのは、山で大きく離されなかった、もしくは山を勝負区間にできていたからです。
現在のデータを見る限り、山での優勝条件はぎりぎり満たしているが、余裕はありません。
復路型チームを名乗るなら、山で「優勝校と互角」もしくは「勝負に行く区間」まで引き上げる必要があります。
現在の順天堂大学は、コーチに初代山の神の今井正人氏、部長には山下りのスペシャリストでもあった仲村明氏がいます。
彼ら以外にも、野口英盛氏や、宮井将治氏など、順天堂大学が強い時代には必ずと言っていいほど山も勝負区間にできていました。
今後の山区間への対応がどうなるか、期待したいところであります。
平均区間タイム水準が示す「復路復活の兆し」
ここで、各区間平均タイムと、区間10位平均・優勝校タイム・大学記録との比較
を確認していきます。
復路中盤に見える改善傾向
近年のデータを見ると、順天堂大学は往路中盤(3区・4区)と復路中盤(7区・8区)で区間10位平均を明確に上回るタイムを出し始めています。
これは、往路中盤でレースの流れを作りながらも、「復路の順大」復活を感じさせる数少ないポジティブ要素になります。
ただし、優勝校との差は依然として存在
一方で、優勝校の区間タイムと比べると、復路でも20〜40秒程度の差が残っている区間が多くあります。
かつての順天堂大学は、復路で優勝校と互角、あるいは上回る区間を必ず持っていました。
現在は、「順位を上げることはできるが、レースを決め切るほどではない」水準に留まっています。
卒業主力・新入生と「順大らしさ」の再定義
順天堂大学が今後優勝を狙うには、チームの方向性を再定義する必要があるのではないかと思います。
チームに多大な影響を与えていた澤木啓佑総監督が2024年9月に退任して以降、転換点に来ていると思います。
卒業主力が残した課題
卒業する主力は、
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安定した走り
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復路で計算できる存在
であり、「順大らしさ」を支えていました。
今回4千世で唯一出場し、9区を走った石岡選手がまさにそれを体現していました。
在校生・新入生に求められる役割
在校生・新入生世代には、
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スピードに優れた選手
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トラック実績の高い選手
- ロードでも実績十分な選手
が揃っています。
重要なのは、彼らを「万能型」として育てるのではなく、往路復路どちらでも勝負を任せる存在として育成できるかどうかです。
結論|順天堂大学が再び「逆転の主役」になるために
データが示す結論は明確です。
順天堂大学は、
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大崩れしない
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中堅上位には安定して来る
しかし、優勝するための「決定力」が不足しています。
復路で主導権を握る区間。山で最低限互角に渡り合う設計。
そして、復路で“勝負を決め切れるエース”。
これらが揃ったとき、順天堂大学は再び「復路の順大」ではなく、「逆転で優勝する順大」として箱根駅伝の主役に戻ってくると思います。
データ・画像の引用元
本記事で使用したデータは、関東学生競技連盟の箱根駅伝公式Webサイトを使用しています。
また、記事中の写真は第102回東京箱根間往復大学駅伝競走 関連報道写真を引用しています。






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